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親に聞く質問|テーマで聞く

写真を見ながら聞く質問

アルバムの1枚から、写っていない話まで

古い写真には、写っている以上のことが詰まっています。誰が撮ったのか、カメラの後ろに何があったのか、その日の朝はどう過ごし、撮ったあとはどこへ行ったのか。1枚を一緒に見ながら聞くと、ふだんの会話では出てこない地名や呼び名、撮る前にかけられた一言が自然に出てきます。家族だと思い込んでいた人が、実は近所の恩人だったということもあります。写っている人は「この方はどなたですか」と尋ね、こちらから決めつけないことが入口です。

こんなときに実家の片づけで、古いアルバムが出てきたとき
こんなときに何を聞けばよいか分からず、話のきっかけがほしいとき
こんなときに施設で、昔の写真を持ってきた方と話すとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一写真を手に取って話す入口

まずは写真そのものから入ります。写っている人、しまい場所、裏の書き込みなど、答えやすいことから聞きます。

  1. この写真のことを、思いつくままに聞かせてください。

    短ければ「いつごろの写真ですか」と年代から。子どものころ、結婚前後、子育てのころなど。

  2. 写っている方は、どなたですか。

    端の人や後ろ姿の人も一人ずつ指さして聞く。分からない人は分からないままでよい。

  3. 皆さんは、それぞれ何と呼ばれていたのでしょうか。

    「みっちゃん」「本家のおじさん」などの呼び名は、本の台詞にそのまま使えます。

  4. この写真は、どこにしまってありましたか。

    アルバム、お菓子の缶、仏壇の引き出し、財布の中など。しまい場所に思いが出ます。

  5. 写真を見て、最初に目がいくのはどこですか。

    人の顔、服、背景の建物など。語り手の目線の先に、話の入口があります。

  6. このころ、ご自分はおいくつでしたか。

    学年、勤めて何年目、子どもが何歳だったかなどで、年代をゆるやかに絞ります。

  7. 写真の裏には、何か書いてあるでしょうか。

    日付や地名、名前の走り書きがあれば読んでもらう。誰の字かも聞けます。

  8. 同じ日に撮った写真は、ほかにもありましたか。

    なければ「この1枚だけが残ったわけ」を聞くと、写真への思いにつながります。

二その日の景色と音を思い出す

写真の中に入っていくように、場所や季節、音、服の手ざわりを聞きます。写っていない枠の外にも目を向けます。

  1. ここは、どこで撮った写真ですか。

    家の前、学校、駅、旅行先、写真館など。地名は町の名前くらいまでで十分です。

  2. 季節は、いつごろだったのでしょう。

    服装、木の葉、雪、日差しから一緒に考える。入学式、お盆、正月などの行事も手がかり。

  3. カメラの後ろには、何がありましたか。

    写っていない建物、道、人だかりなど。枠の外を思い描いてもらうと場面が広がります。

  4. そのとき聞こえていた音を、覚えていますか。

    子どもの声、汽車、蝉、祭りの囃子、ラジオなど。出てこなければ次へ進みます。

  5. 着ている服のことを聞かせてください。

    誰が縫ったか、よそ行きか普段着か、借り物か。色や生地の手ざわりも聞けます。

  6. その日の天気や空気の感じは、どうでしたか。

    暑い、寒い、風が強いなど。まぶしそうな顔や寒そうな手元があれば指さして聞く。

  7. 背景に写っているものを、一つずつ教えてください。

    看板、自転車、電柱、家の窓など。いまはなくなったものが、本の景色になります。

三撮った人とその日の前後

カメラを構えていた人と、写真の前と後の時間を聞きます。撮った人の一言や、写っていない人の話が出てきます。

  1. この写真は、どなたが撮ったのですか。

    家族、近所の人、写真屋さん、通りがかりの人など。分からなければ誰のカメラかから。

  2. カメラは、誰のものでしたか。

    家にあったか、借りたか、写真館か。カメラが貴重だったころは持ち主の話が出やすい。

  3. 撮る前に何と声をかけられたか、覚えていますか。

    「動かないで」「笑って」など。撮った人の一言は、台詞として本に残せます。

  4. この日は、何の集まりや用事だったのでしょう。

    入学式、法事、旅行、祭り、ただの日曜日など。特別な日でなくてもかまいません。

  5. 撮る前、その日の朝はどんなふうに過ごしましたか。

    誰と出かけたか、汽車やバス、歩きなど何で向かったか。支度の様子も聞けます。

  6. 撮り終わったあとのことを聞かせてください。

    何を食べたか、どこへ寄ったか、どう帰ったか。食べものは記憶を引き出しやすい。

  7. 写っている方とは、どんな間柄でしたか。

    親しかったか、たまに会うだけか。決めつけず、語り手の言葉で関係を話してもらう。

  8. その場にいたのに、写っていない人はいましたか。

    撮った人のほか、席を外していた人、写るのを嫌がった人など。

四いま、この1枚を見て

当時の気持ちと、いま見て思うことを聞きます。急がず、語り手が写真を眺める間を待ってから尋ねます。

  1. 写真ができあがってきたとき、どう思いましたか。

    現像を待った日数、目をつぶっていた、などの小さな出来事も話のきっかけになります。

  2. このころのご自分に、何と声をかけたいですか。

    言葉が出にくければ「この子はこのあとどうなりましたか」と聞きかえます。

  3. いま改めて見て、気づくことはありますか。

    若さ、表情、背景の変わりようなど。当時は見えなかったものが出てきます。

  4. 写っている方の、その後のことを聞かせてください。

    話したい範囲だけでよい。亡くなった人の話は急がず、語り手の間に合わせます。

  5. この写真を手もとに残してきたのは、なぜでしょうか。

    捨てられなかった、たまたま、人から渡されたなど。理由がなくてもかまいません。

  6. 写真には写っていないけれど覚えていることを、話してください。

    匂い、言い争い、帰り道の景色など。写真の外の記憶が、本の芯になります。

  7. この1枚を、誰に見てほしいと思いますか。

    子ども、孫、もう会えない人など。名前が出たら、そのわけも聞きます。

この話題の聞き方のコツ

写真は語り手に持ってもらう写真は語り手の手に持ってもらい、聞き手は横に並んで同じ向きから見ます。向かい合うより指をさしやすく、「ここ」「この人」と話が具体になります。小さな写真なら虫眼鏡を用意すると、背景の看板や顔が見えて話が広がります。
写真の枠の外を聞く写っているものを確かめたら、カメラの後ろ、写真の右や左に何があったかを聞きます。写っていない人、道、建物、音。枠の外を思い描くと、その日の場面がひと続きの景色として語られ、本の一章になります。
1回で深く聞くのは2、3枚までアルバムをめくり続けると、名前と年の確認だけで終わります。1回の聞き取りで深く聞くのは2、3枚に絞ります。語り手が手を止めた写真や、長く眺めている写真から聞くと、話したい記憶につながりやすくなります。

避けたい聞き方

「これはお母さんですね」と決めつける似ていても、親戚や近所の人、本人のこともあります。決めつけると語り手は訂正しづらく、話がずれたまま進みます。「この方はどなたですか」と聞き、分からないと言われたらそのままにします。
日付や名前の正確さにこだわる「何年でしたか」と何度も確かめると、試されているように感じます。年は「小学校のころ」「結婚の前」くらいで十分です。あいまいな部分は、あとで他の写真や家族の話と照らし合わせます。
写真の感想を先に言う「楽しそうですね」と先に言うと、語り手はそれに合わせた答えをしがちです。笑顔の裏に、つらい日があったかもしれません。感想は控え、まず語り手の言葉を待ちます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手この写真は、どこで撮ったものですか。

語り手駅の前だね。集団就職で町を出る日に、兄さんが撮ってくれたの。

聞き手お兄さんが撮ってくれたんですね。カメラはお兄さんのものだったんですか。

語り手勤め先の人から借りてきたのよ。あの日のために、わざわざ。フィルムだって安くなかったのにね。

聞き手撮る前に、お兄さんから何か言われましたか。

語り手「泣くな、前を向け」って。それで顔がこわばってるの。本当は泣きそうだったから。

聞き手カメラの後ろには、ほかにどなたがいたんですか。

語り手母がいたはずなんだけど、見送りの間ずっと顔をそむけてた。写真には入らなかったの。

聞き手いまこの写真を見て、どんな気持ちになりますか。

語り手兄さんの声が聞こえる気がする。あのとき前を向けたのは、あの一言があったからだと思うね。

写真から聞いた話は、本の中で場面の入口になります。撮った人の一言、カメラの後ろにいた人、その日の朝と帰り道。写真そのものを本に載せれば、読む家族は同じ1枚を見ながら、写っていない景色まで受け取れます。聞いた言葉は言い換えず、語り手の口ぶりのまま書き留めておくと、その声まで本に残ります。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

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