語りAI物語 › 読みもの

読みもの

自分史の書き方。書かずに「話して」作る手順

自分史を書こうと原稿用紙やノートを開いたものの、最初の一行で手が止まってしまう。そういう人は少なくありません。止まる理由の多くは、文章の力ではなく、何から書けばよいかが決まっていないことにあります。この記事では、書く前に年表で骨組みをつくり、思い出は先に話してしまい、それを一話ずつ貯めて、構成は最後に決めるという順番を紹介します。親の話を残したい家族が、聞き手として手伝うときにもそのまま使えます。

手が止まるのは書き始め方のせい

自分史というと、生まれたところから順に、きちんとした文章で書かなければならないと考えがちです。けれども、最初から完成した形を目指すと、どの出来事を選ぶか、どう書き出すか、どこまで書くかを一度に決めることになり、手が止まります。これは書く力の問題ではなく、決めることが多すぎるという段取りの問題です。

そこで、作業を分けます。思い出す、話す、書き留める、並べる、整える。この順に一つずつ進めれば、一度に考えることは少なくなります。特に「思い出す」と「書く」を切り離すと、ずいぶん楽になります。文章にするのは、話がある程度たまってからで間に合います。

  • 最初から完成形を目指さない
  • 思い出す・話す・書く・並べるを分けて進める
  • 文章にするのは話がたまってからでよい

年表で骨組みをつくる

最初の作業は年表づくりです。紙を一枚用意して、生まれた年から今までを縦に並べ、住んだ場所、通った学校、勤め先、結婚、子どもの誕生、引っ越しなど、はっきり覚えている出来事だけを書き込みます。文章ではなく、単語や短いメモで十分です。分からない年は空けておき、あとで家族に聞いたり、古い書類で確かめたりします。

年表ができると、人生の大まかな区切りが見えてきます。子どものころ、学生時代、働きはじめたころ、家庭をもってから、というように時期で分けておくと、あとで話を聞くときの見取り図になります。親の自分史を手伝う場合は、家族が年表の下書きをつくり、親に見せながら足りないところを埋めてもらうと進めやすくなります。

  • はっきり覚えている出来事だけを書き込む
  • 分からないところは空けておく
  • 時期ごとに区切ると話を聞く見取り図になる

まず話して、あとで書く

年表の中から話しやすい時期を一つ選び、そのころの思い出を声に出して話します。書こうとすると言葉を選んで止まってしまう人でも、話すときは案外すらすらと出てきます。聞き手がいる場合は、「そのとき、どこに住んでいたの」「誰と一緒だったの」と、場所や人を尋ねると場面が浮かびやすくなります。

話した内容は、録音しておくか、聞き手がその場でメモに取ります。メモは整った文章でなくてかまいません。話し手が使った言い回しや、印象に残った一言をそのまま書き留めておくと、あとで文章にするときにその人らしさが残ります。たとえば、みっちゃんが「あの坂はね、雪の日は滑り台だったのよ」と言ったら、その言葉ごと残します。

  • 話しやすい時期から始める
  • 場所と人を尋ねると場面が浮かぶ
  • 印象に残った一言はそのまま書き留める

一話ずつ貯めていく

自分史は、一度にまとめて作るものではありません。ひとつの思い出を一話として、話して書き留めたら、そこでいったん区切ります。次の機会にまた一話。順番は年表どおりでなくてよく、その日に思い出したこと、写真を見て話が出たことを、そのつど一話として足していきます。

一話ごとに、日付と、どの時期の話かを書いておくと、あとで並べ替えるときに迷いません。話が短く終わっても失敗ではありません。短い話がいくつも集まると、人柄や暮らしぶりが自然に見えてきます。続けるこつは、毎回きりのよいところで終えて、次に聞きたいことを一つだけメモしておくことです。

  • ひとつの思い出を一話として区切る
  • 順番は年表どおりでなくてよい
  • 各話に日付と時期を書いておく
  • 次に聞きたいことを一つだけ残して終える

構成は最後に決める

話がある程度たまったら、ようやく構成を考えます。年表の時期ごとに話を並べるのがいちばん素直な形ですが、「食卓の話」「仕事の話」のようにテーマで章を分ける方法もあります。どちらにするかは、集まった話を眺めてから決めれば十分です。最初に決めてしまうと、枠に合わない話を捨てることになりかねません。

並べ終えたら、話と話のあいだに短いつなぎの文を入れ、言い回しを少し整えます。このとき、話し手の口ぐせや方言まで直しすぎないことが大切です。読み返したときに、その人の声が聞こえるような文章が、家族にとっていちばん読みたい自分史になります。仕上げに年表を巻末につけると、全体の流れも分かります。

  • 時期ごとかテーマごとかは話を見てから決める
  • つなぎの文を入れて言い回しを整える
  • 口ぐせや方言は直しすぎない

よくある質問

文章を書くのがとても苦手です。それでも自分史は作れますか。

作れます。話すところまでを本人が行い、書き留めて整えるのは家族が引き受ける、という分け方ができます。話した言葉をそのまま生かしたほうが、かえってその人らしい文章になることも多くあります。

昔のことを細かく覚えていません。年がはっきりしなくても大丈夫ですか。

大丈夫です。年表の分からないところは空けたまま進め、「小学校に上がる前」「結婚して間もないころ」のような書き方で十分です。家族の記憶や古い写真、手紙などで、あとから埋まることもあります。

どの思い出から話せばよいか迷います。

子どものころに住んでいた家や、よく遊んだ場所の話は、多くの人にとって思い出しやすい入口です。景色や間取りを思い浮かべながら話すと、そこから家族や近所の人の話へ自然に広がっていきます。

自分史は、上手な文章を一気に書き上げるものではなく、思い出を一話ずつ集めていく作業です。年表で骨組みをつくり、話しやすい時期から声に出して話し、書き留めた話を貯めていけば、構成はあとから見えてきます。まずは紙一枚に、覚えている出来事を書き出すところから始めてみてください。

語りAI物語で聞く

話を聞く役を、AIが
引き受けます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

無料で3話ためす くわしい使い方