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親に聞く質問|時代で聞く

働きはじめたころ・20代の話を聞く質問

最初の仕事、初任給、ひとり暮らし、夢中になったもの

20代は、親の人生が家の外へ大きく動き出した時期です。どこで働き、誰に仕事を教わり、最初のお給料で何を買ったのか。寮や下宿の部屋、職場の音、休みの日に通った場所を聞いていくと、子どもが知らない一人の若者の姿が見えてきます。このページには、仕事に就くまでのいきさつから、暮らしの景色、職場の人と初任給、夢中になったこと、いま振り返って思うことまでを順に聞く質問をまとめました。

こんなときに若いころの写真に、知らない職場や仲間が写っていたとき
こんなときに昔の同僚から年賀状が届き、当時の話が出たとき
こんなときに孫の就職や上京をきっかけに、自分のころの話になったとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一最初の仕事に就くまで

まずは仕事の名前や就いたいきさつなど、答えやすい事実から入ります。話の土台になる年と場所もここで押さえます。

  1. 最初に就いた仕事のことを聞かせてください。

    会社勤め、家業、店員、工場、農業など。仕事の名前だけ出れば、そこから先へ進めます。

  2. その仕事に就くことになったのは、どんないきさつでしたか。

    学校の紹介、親戚の口利き、新聞の求人、家の都合など。誰が決めたかも聞けると話が立ちます。

  3. 働きはじめた年のことを、覚えているところから話してください。

    年齢や「東京オリンピックの前か後か」など、大きな出来事と並べると思い出しやすくなります。

  4. 仕事を選ぶとき、ほかに心にあった道があれば教えてください。

    進学、別の職業、家を継ぐ話など。なかったという答えも、そのまま一つの話になります。

  5. 初出勤の朝は、どんなふうに家を出ましたか。

    着ていった服、持たされた弁当、見送った人など。一つの場面が出れば十分です。

  6. 最初に任された仕事は、どんな中身だったのでしょう。

    掃除、お茶くみ、伝票書き、見習い作業など。手順を一つ説明してもらうと場面が浮かびます。

  7. 仕事を覚えるまでの日々は、どんなふうに過ぎていきましたか。

    叱られたこと、こっそり練習したことなど。苦労話でも笑い話でもかまいません。

  8. 家の人は、その就職をどう受けとめていましたか。

    喜んだ、反対した、何も言わなかったなど。誰が何と言ったか、一言が取れると本に効きます。

二暮らしと職場の景色

住まいや職場、町の様子に入ります。広さや音、匂い、食べたものを聞くと、読み手がその場に立てる文章になります。

  1. 働きはじめたころは、どこで暮らしていましたか。

    実家、会社の寮、下宿、間借り、アパートなど。町の名前まで出ると場面が定まります。

  2. 家を出た日のことを、覚えているかぎり聞かせてください。

    夜行列車、駅のホーム、持っていった荷物など。実家から通った人なら、通勤初日の話に替えます。

  3. 住んでいた部屋は、どんな様子だったのでしょう。

    何畳だったか、窓から何が見えたか、共同の炊事場や便所の有無などを手がかりにします。

  4. 職場に入ると、どんな音や匂いがしていましたか。

    機械の音、インク、油、売り場の呼び声など。建物の様子も一緒に聞けると場面が立ちます。

  5. 朝から晩まで、一日はどんな流れでしたか。

    起きる時刻、通勤の乗りもの、昼休み、帰る時刻。休みが何曜日だったかも手がかりになります。

  6. ふだんの食事は、どこで何を食べていたか教えてください。

    社員食堂、寮の食事、自炊、定食屋など。よく頼んだ一品を聞くと話がふくらみます。

  7. 夜や休みの日は、町のどこで過ごしていましたか。

    銭湯、映画館、喫茶店、公園、商店街など。季節の行事も話の入口になります。

三職場の人と初任給

人の名前と出来事を具体的に聞きます。呼び名や言われた一言、初任給の使い道は、本の中でそのまま使える材料です。

  1. 職場でいちばん世話になった人のことを聞かせてください。

    上司、先輩、同期、寮母さんなど。呼び名と顔つきを聞くと人物が立ちます。

  2. その人に言われた言葉で、いまも残っているものを教えてください。

    叱られた言葉でも励ましでもかまいません。言い回しのまま書きとめると、本の台詞になります。

  3. 同じころに入った仲間とは、どんな付き合いでしたか。

    寮で同室、昼休みに一緒、休みに出かけたなど。名前か呼び名を一人聞けると話が続きます。

  4. 初めてお給料を受け取った日は、どんな一日でしたか。

    手渡しの封筒か、受け取った場所、誰かに見せたか。金額は聞かなくてかまいません。

  5. 初任給の使い道で、覚えているものを教えてください。

    親への贈りもの、服、時計、ラジオ、本など。誰のために買ったかも聞きどころです。

  6. 仕事でしくじった出来事があれば、その日のことを聞かせてください。

    品物を壊した、遅刻した、計算を間違えたなど。誰がどう収めてくれたかまで聞くと話が締まります。

  7. 仕事に手ごたえを覚えたのは、どんな場面でしたか。

    初めて一人で任された、お客さんに礼を言われたなど。何年目のことかも添えてもらいます。

  8. 最初の職場との縁が、その後どうなっていったかを聞かせてください。

    長く勤めた、転職した、結婚で辞めた、家業に戻ったなど。区切りの年が出ると年表が整います。

四夢中になったこと、いま思うこと

仕事の外で打ち込んだことと、当時の気持ち、いま振り返っての思いを聞きます。本の章の締めくくりになる部分です。

  1. 20代のころ、夢中になっていたことは何でしたか。

    映画、音楽、スポーツ、ダンス、山登り、手芸、読書など。仕事そのものという答えもあります。

  2. それに打ち込んでいたころの、印象に残る一日を聞かせてください。

    初めて行った場所、大会や発表会、夜更かしした晩など。一緒にいた人も聞きます。

  3. あのころよく聴いていた歌や、よく見ていた番組を教えてください。

    曲名が出なければ口ずさんでもらいます。白黒テレビ、ラジオ、レコードなど聴いた道具も手がかりです。

  4. 若いころに思い描いていた将来は、どんなものでしたか。

    なりたかった職業、住みたかった町など。叶ったかどうかは問わずに聞きます。

  5. 働きはじめたころの自分を思い出すと、どんな気持ちになりますか。

    なつかしい、恥ずかしい、よくやった、など。一言出れば、そこから理由を聞きます。

  6. あのころの自分に、いま声をかけるとしたら何と言いますか。

    すぐ出なければ「あの時期に言われてうれしかった言葉は」と聞き替えます。

  7. 20代の日々が、その後の暮らしにどうつながっていったと思いますか。

    身についた技術、続いた友人、習慣など。つながっていないという答えも、そのまま受けとめます。

この話題の聞き方のコツ

最初に年を一つ決めておく働きはじめた年を、東京オリンピックや大阪万博の前か後かで確かめておくと、その後の転職や引っ越しの話の前後がそろいます。年がはっきりしなくても、何歳ごろかが分かれば十分です。
物の話から記憶を開く初任給で買った物、寮の布団、通勤の定期入れ、職場の制服など、手で触れた物の話は記憶の入口になります。物が出たら、どこで買ったか、いまどこにあるかまで聞くと、場面と気持ちが一緒に出てきます。
職場の言葉はそのまま残す仕事の呼び名や道具の名前、上司の口癖は、その人の働いた場所を伝える言葉です。分からない言葉は意味を聞き返し、言い回しは整えずにそのまま書きとめます。

避けたい聞き方

苦労を前提にする「大変だったでしょう」と聞くと、答えが苦労話に寄ります。楽しかった人もいれば、何とも思っていなかった人もいます。「どんなふうでしたか」と聞き、評価は語り手にまかせます。
仕事や会社を値踏みする「いい会社だったね」「もっと上を目指せばよかったのに」といった言葉は、語り手の口を重くします。職業や勤め先の大小には触れず、そこで何をしていたかを聞きます。
お金や待遇を細かく詰める給料の額、仕送りの金額、借りたお金などを細かく尋ねるのは避けます。語り手が自分から話した範囲で受けとめ、使い道や気持ちのほうへ話を向けます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手初めてお給料をもらった日のことを聞かせてください。

語り手工場の事務所で、茶色い封筒を手渡されたの。寮に帰っても、しばらく開けられなかった。

聞き手しばらく開けられなかったんですね。その晩、封筒はどこに置いていましたか。

語り手布団の下。同じ部屋のみっちゃんと、明日の朝開けようねって言って寝たのよ。

聞き手みっちゃんとは、どんなふうに知り合ったんですか。

語り手同じ汽車で出てきた子。駅で私が泣いてたら、あめ玉をくれてね。それからずっと一緒。

聞き手次の朝、封筒を開けてから、最初に何に使いましたか。

語り手母に少し送って、残りで二人して商店街へ行ったの。私は赤い手袋を買った。

聞き手赤い手袋を選んだのは、どうしてでしたか。

語り手田舎ではずっと姉のお下がりだったから。自分で選んだ物を持つのは初めてだったのよ。

聞き手お店で手袋をはめたとき、みっちゃんに何か言いましたか。

語り手「これで私も一人前やね」って。みっちゃんは「まだ早い」って笑ってた。その手袋、いまもたんすにあるのよ。

最初の仕事と初任給の話は、本の中で、親が自分の足で立ちはじめた章の柱になります。職場の音や寮の部屋の様子、先輩に言われた一言が入ると、年表だけでは伝わらない若いころの姿が読み手に届きます。ここで名前の出た仲間や夢中になったことは、その後の章にも何度も顔を出します。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。話しはじめる画面の「今日のテーマ」で「働きはじめたころ・20代」を選ぶと、この話題から聞きます。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

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