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親に聞く質問|テーマで聞く

仕事の話を聞く質問

原点、うまくいかなかった日、誇りに思うこと

仕事の話には、その人が何を大事にして生きてきたかが表れます。何歳でどこで働き始めたか、誰に教わったか、どんな日につまずき、どう持ち直したか。年代と土地と人の名前がそろうと、本の柱になる章ができます。ここでは、最初の仕事のいきさつから、職場の音や道具、師匠や仲間との出来事、誇りに思う仕事と引退の日までを順に聞いていきます。勤めていた人にも、家業や田畑、家の仕事を担ってきた人にも使えます。

こんなときに親が昔の職場や同僚の話を、ふと口にしたとき
こんなときに定年や家業の引き継ぎなど、仕事の節目を迎えたとき
こんなときに創業者の歩みを、家族や社員のために残したいとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一仕事のはじまりときっかけ

最初の仕事に就いたいきさつから入ります。年齢や土地を聞いておくと、本の年表の軸になります。

  1. 最初に就いた仕事のことを聞かせてください。

    家業の手伝い、勤め、住み込みの奉公なども含めて。何歳ごろだったかも添えて聞きます。

  2. その仕事を選んだのは、どんないきさつからでしたか。

    自分で決めた、親や先生の勧め、親戚の紹介、たまたま人を探していた、など。

  3. 子どものころ、なりたかったものはありましたか。

    「なかった」でも構いません。身近な大人の仕事で目に焼きついたものを聞いても。

  4. 仕事を始めた土地と、そこで暮らすことになったいきさつを教えてください。

    地元か、集団就職や上京で家を離れたか。町の名前まで取れると本に効きます。

  5. 初出勤の日のことで、覚えている場面はありますか。

    着ていった服、朝の天気、最初に会った人、最初にかけられた一言など。

  6. 働き始めたころ、家族はその仕事をどう受け止めていましたか。

    賛成、反対、何も言わなかった、など。家族の言葉を一言でも取れると場面になります。

  7. 最初のお給料をもらった日のことを話してください。

    金額ではなく、受け取った場面と使い道を。親に渡した、仕送りした、欲しい物を買った、など。

  8. 途中で仕事が変わったことがあれば、それはどんなきっかけでしたか。

    転職、独立、結婚で家庭に入った、家業を継いだなど。順番を一緒に整理します。

二職場の景色と一日

働いていた場所の音やにおい、一日の流れを聞きます。読む人がその場に立てるような手ざわりを集めます。

  1. 働いていた場所は、どんなところでしたか。

    工場、店、事務所、田畑、工事の現場、台所など。広さや窓から見えたものも。

  2. 朝起きてから仕事を終えるまでの一日を、順に話してください。

    家を出た時刻、通勤の手段、昼ごはん、帰り着く時刻を手がかりに。

  3. 職場でいつも聞こえていた音や、漂っていたにおいを覚えていますか。

    機械の音、そろばん、電話のベル、油や木くず、インクのにおいなど。

  4. 仕事で毎日使っていた道具のことを教えてください。

    そろばん、ミシン、工具、帳簿、くわなど。持ったときの重さや手の感覚も。

  5. 一年のうちで忙しくなるのは、いつごろでしたか。

    年末、季節の変わり目、決算期、農繁期など。その時期の職場の様子を一場面。

  6. 昼休みや仕事帰りは、どう過ごしていましたか。

    弁当、社員食堂、屋上でのひと休み、銭湯、仲間と寄った店など。

  7. 職場の決まりごとや、仲間うちだけで通じる言葉はありましたか。

    朝礼、社員旅行、運動会、作業の符丁や呼び名。言葉そのものを書き留めます。

三師匠や仲間、つまずいた日

仕事を教えてくれた人、一緒に働いた人、うまくいかなかった出来事を聞きます。呼び名と言われた一言を大事にします。

  1. 仕事を教えてくれた人のことを聞かせてください。

    上司、先輩、親方、親など。呼び名と、当時の年格好や身なりも。

  2. その人に言われた言葉で、いまも覚えているものはありますか。

    ほめられた言葉でも叱られた言葉でも。言われた場所や状況もあわせて聞きます。

  3. 一緒に働いた仲間で、思い浮かぶ人はいますか。

    同期、気の合った人、そりの合わなかった人も。その人の口ぐせや癖を一つ。

  4. 仕事でうまくいかなかった日のことを、話せる範囲で教えてください。

    失敗、間に合わなかった、お客さんともめた、など。無理に聞き出さないこと。

  5. そのとき、どうやってその場を切り抜けましたか。

    誰かに助けられた、自分で工夫した、時間がたって落ち着いた、など。

  6. 仕事を辞めたいと思った時期があれば、そのころのことを聞かせてください。

    あったなら何が踏みとどまらせたか。なかったなら、続けられた理由を。

  7. 世の中の移り変わりで、仕事のやり方が大きく変わったのはどんなときでしたか。

    機械化、コンピューターの導入、東京オリンピックや大阪万博の前後の忙しさなど。

  8. お客さんや取引先など、職場の外で出会った人で心に残っている人のことを教えてください。

    出会った場面と、その人とのやりとりで覚えている言葉を。

四誇りと引退、いま思うこと

胸を張れる仕事や、仕事を終えた日のことを聞きます。そのときの気持ちと、いま振り返っての思いを分けて聞きます。

  1. 自分の仕事で、胸を張れると思うことがあれば聞かせてください。

    大きな成果でなくてよい。続けてきたこと、任されたこと、いまも残っている物など。

  2. 仕事で人から感謝された場面で、覚えているものはありますか。

    誰に、どこで、どんな言葉で。そのとき自分は何と返したかも聞きます。

  3. 仕事を退くと決めたとき、どんな気持ちでしたか。

    ほっとした、寂しかった、実感がなかった、など。決めたきっかけもあわせて。

  4. 仕事を終えた最後の日の様子を、思い出せるだけ話してください。

    定年、店じまい、家業を譲った日など。最後に交わした言葉や帰り道の景色。

  5. 仕事を離れてから、暮らしはどう変わりましたか。

    朝の過ごし方、始めたこと、家族との時間。抜けなかった仕事の癖も。

  6. 長く働いてきて、仕事から教わったことは何だと思いますか。

    答えにくければ「働き始めたころの自分に一言かけるなら」と言いかえます。

  7. もし生まれ変わったら、どんな仕事をしてみたいですか。

    同じ仕事でも別の仕事でもよい。理由を聞くと本音が出やすくなります。

この話題の聞き方のコツ

仕事の中身を知らない前提で聞く作業の中身は、家族でも案外知らないものです。「それはどういう作業ですか」「手元はどう動かすのですか」と素直に聞くと、語り手は説明しながら当時の手の感覚を思い出します。仕事の言葉が出たら、そのまま書き留め、意味を一言添えてもらいます。
年表を一緒に作りながら聞く仕事の話は転職や異動で時期が前後しがちです。紙に年代と年齢を書き、勤め先や担当が変わった年を一緒に埋めていくと話が整理されます。東京オリンピックや大阪万博など、誰もが覚えている出来事を目印にすると年を思い出しやすくなります。
肩書きより、ある一日を聞く「どんな仕事でしたか」だけだと肩書きの話で終わりがちです。「一番忙しかった日」「最後の日」のように一日を区切ると、天気、交わした言葉、帰り道まで出てきます。一つの日の細部が、仕事全体を語ってくれます。

避けたい聞き方

評価や感想を先にはさむ「大変だったでしょう」「立派な仕事だね」と先回りすると、語り手はその枠に合わせて話を短くします。相づちは「それで」「そのときは」にとどめ、感想は語り手の口から出るのを待ちます。
失敗の話を深追いするうまくいかなかった日の話は、いまも痛みが残っていることがあります。語り手が言葉を濁したら、そこで止めて別の話題へ移ります。後日、本人から続きを話し出すことも少なくありません。
給料や役職の高さを聞き出す給料の額や出世の順番を聞くと、話が比べ合いになり、家族の間に気まずさが残ります。お金の細部ではなく、そのお金で何をしたか、その立場で何を任されたかを聞きます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手最初に就いた仕事のことを聞かせてください。

語り手中学を出て、町の印刷屋に入ったんだよ。十五のときだね。活字を拾う仕事でね。

聞き手活字を拾う、というのはどんな作業だったんですか。

語り手棚にずらっと鉛の字が並んでいて、原稿を見ながら一つずつ指でつまんで箱に並べるんだ。指先が真っ黒になってね。インクと油のにおいがいつもしてた。

聞き手教えてくれた人に、言われて覚えている言葉はありますか。

語り手親方の茂さんに「字は目で拾うな、指で覚えろ」って言われた。最初は何のことかわからなくてね。

聞き手指で覚えろ、と言われたとき、どう思いましたか。

語り手正直、意地悪を言われてると思ったよ。悔しくて、夜に残って練習した。半年くらいして、棚を見なくても手が伸びるようになった。

聞き手手が伸びるようになったとき、茂さんは何か言いましたか。

語り手何も言わなかった。ただ、次の日から大事な名刺の仕事を回してくれるようになってね。あれはうれしかった。

聞き手いま振り返ると、茂さんのあの言葉はどう聞こえますか。

語り手あとで機械に変わっても、あの言葉は通じたんだよ。仕事は体で覚えるもんだって、いまでも孫に言ってる。

仕事の章は、年代と土地と人の名前が骨組みになり、そこに道具の手ざわりや言われた一言が加わって、読める物語になります。親方の口ぐせや最後の日の帰り道のような細部は、家族も知らなかった親の顔を伝えます。一度で全部聞こうとせず、思い出した順に何度でも聞き足していけば、章は少しずつ厚くなります。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。話しはじめる画面の「今日のテーマ」で「仕事」を選ぶと、この話題から聞きます。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

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