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親に聞く質問|テーマで聞く

戦争・疎開・戦後の暮らしを聞く質問

昭和ひと桁〜20年代生まれの方に、無理なく

戦争の時代を子どもとして、あるいは若者として生きた方の話は、家族のなかでも聞く機会が少ないまま過ぎがちです。このページでは、住んでいた町や食卓の話から入り、空襲や疎開のころ、終戦の日、配給や学校、仕事が戻っていく戦後の暮らしへと進みます。つらい場面は本人が話したい範囲にとどめ、暮らしを立て直していった日々の工夫や、支えてくれた人の話を多めに聞けるようにしました。

こんなときに親や祖父母が、戦時中の食べものの話をぽつりと口にしたとき
こんなときに八月の終戦の日の報道を見ながら、昔の話になったとき
こんなときに孫が学校で戦争について調べ、話を聞きたいと言ったとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一あのころの町と家

戦争の話に入る前に、住んでいた町や家、毎日の食卓から聞きます。答えやすい話から記憶がほどけていきます。

  1. 子どものころ住んでいた町は、どんなところでしたか。

    町なか、農村、港町、田畑の多い土地など。地名は町や村の名前くらいで十分です。

  2. 一緒に暮らしていた家族の顔ぶれを教えてください。

    祖父母、きょうだい、親戚など。呼び名を聞いておくと、後の話に出たときにつながります。

  3. そのころの家は、どんなつくりでしたか。

    土間、かまど、井戸、縁側、ちゃぶ台など。寝ていた部屋の様子から入るのも手です。

  4. ふだんの食卓によく並んだものは何ですか。

    麦ごはん、さつまいも、すいとん、雑炊など。誰が作っていたかも添えて聞きます。

  5. 通っていた学校で覚えていることを話してください。

    国民学校、朝礼、校庭、通学路など。先生の呼び名が出ると場面が立ちます。

  6. 友だちとは、どんな遊びをしていましたか。

    めんこ、おはじき、縄跳び、川遊びなど。一緒に遊んだ子の呼び名も聞いてみます。

  7. お父さんやお母さんの毎日の仕事ぶりを、覚えている範囲で教えてください。

    仕事の中身や家にいた時間帯など。父が出征していた家も多いので、流れに任せます。

二空襲と疎開のころ

戦時中の暮らしの場面を聞きます。つらい話になりそうなら、場所や季節、持ち物の話にとどめて構いません。

  1. 戦争が暮らしに入ってきたと感じたのは、どんなことからでしたか。

    灯火管制、防空頭巾、防空壕づくり、出征の見送りなど。本人の言葉で区切りが分かります。

  2. いつも身近に置いていた持ち物のことを教えてください。

    防空頭巾、名札、非常袋など。誰が縫ってくれたかが出ると、人の話につながります。

  3. 空襲警報が鳴ったとき、どこへ身を寄せていましたか。

    防空壕、押し入れ、近くの山や寺など。話しにくそうなら場所だけ聞いて次へ進みます。

  4. 疎開をしたかどうか、そのころの事情を聞かせてください。

    学童疎開、縁故疎開(親戚を頼る疎開)、疎開しなかった家も。どの答えもそのまま受け止めます。

  5. 疎開先や身を寄せた先は、どんな土地でしたか。

    山あいの村、寺、親戚の家など。疎開していなければ、町に残った暮らしを聞きます。

  6. 疎開先や町で、よく面倒を見てくれた人のことを話してください。

    おばさん、寺の住職、農家の人など。呼び名と、言われた一言が残っていれば書き留めます。

  7. 家族と離れていたあいだ、便りのやりとりはどんなふうでしたか。

    はがき、面会、親が届けてくれた食べものなど。離れていなかった場合は飛ばします。

  8. 戦時中の季節のなかで、いまも浮かぶ景色を聞かせてください。

    夏の田んぼ、冬の寒さ、灯りを消した夜の町など。出来事より景色そのものを聞きます。

三終戦と暮らしの立て直し

終戦の日から、食べもの、学校、仕事がどう戻っていったかを聞きます。人の名前や言われた一言が出やすい話です。

  1. 戦争が終わったと知った日のことを聞かせてください。

    玉音放送(昭和20年8月15日のラジオ)、天気、居た場所など。人から聞いた話でも構いません。

  2. 終戦のあと、まわりの大人たちはどんな様子でしたか。

    黙っていた、泣いていた、普段どおりだったなど。残っている一言があれば、そのまま聞き取ります。

  3. 配給の品を受け取りに行ったときのことを話してください。

    米、芋、砂糖、配給の通帳、並んだ場所など。家で誰が行く役だったかも添えて。

  4. 食べものが足りないとき、家ではどんな工夫をしていましたか。

    買い出し、空き地の畑、野草、着物と食べものの交換など。工夫した人の名前も聞きます。

  5. 戦後の学校は、戦時中と比べてどう変わりましたか。

    教科書の墨塗り、青空教室、6・3制、脱脂粉乳の給食など。先生の言葉が残っていれば聞きます。

  6. 家族が仕事を立て直していったころのことを聞かせてください。

    店の再開、畑仕事、工場勤め、行商など。本人が手伝った仕事があれば、その中身も。

  7. 戦地や外地から家族や知り合いが帰ってきたときのことは、どんなふうに覚えていますか。

    復員、引き揚げ(外地から戻ること)。帰らなかった人の話になったら、相づちだけにします。

  8. 焼け跡や町が変わっていく様子で、覚えていることは何ですか。

    バラック、闇市、進駐軍の車、新しい店など。暮らしが戻ってきた目印が取れます。

四いま振り返って思うこと

当時の気持ちと、いま思うことを聞きます。答えが出なくても構いません。沈黙も話の一部として待ちます。

  1. あのころ、いちばん楽しみにしていたことは何でしたか。

    祭り、紙芝居、甘いもの、ラジオなど。苦しい時期の小さな楽しみが本に厚みを出します。

  2. 暮らしが落ち着いてきたと感じた出来事を聞かせてください。

    白いごはんを食べた日、新しい服、就職など。年齢か年代も添えると本の流れが整います。

  3. いまでも戦争のころを思い出させる音や匂い、食べものには、どんなものがありますか。

    サイレン、さつまいも、すいとんなど。話したくない様子なら、別の話題に移ります。

  4. 当時の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉になりますか。

    すぐに出なくて構いません。短い一言でも、言葉どおりに書き留めます。

  5. あのころの経験が、その後の暮らし方に残っていると思うことを話してください。

    食べものを残さない、物を捨てない、備えを欠かさないなど。習慣の話から入ると答えやすくなります。

  6. 孫やひ孫の世代に伝えておきたいことは、どんなことですか。

    教訓でなくても構いません。食卓や遊びなど、暮らしの一場面だけでも十分です。

  7. ここまで話してみて、いまどんなお気持ちですか。

    話の終わりに聞きます。「話せてよかった」「もう十分」など、どの答えも受け止めます。

この話題の聞き方のコツ

暮らしの話から入る空襲や疎開をいきなり聞くと、身構えてしまう方もいます。食卓や遊び、学校の話から入ると、その延長で戦時中の場面が自然に出てきます。本人が自分から話し始めたところを、そのまま広げます。
場所と物を手がかりにするつらい出来事そのものより、そのとき居た場所、持っていた物、季節を聞くと、話しやすさが保てます。防空頭巾や配給の品のような物の話は、気持ちに深入りせずに場面を立ち上げる手がかりになります。
立て直しの工夫を多めに聞く戦後、食べものをどう工面したか、学校や仕事がどう戻ったかは、比較的語りやすい話です。誰が何をしてくれたか、どんな言葉をかけられたかまで聞くと、そのまま本の一章になります。

避けたい聞き方

亡くなった人のことを深追いする空襲や戦地で家族や知り合いを亡くした方もいます。名前が出ても、そのときの様子を詳しく聞き出そうとはしません。相づちを打ち、本人が続けたときだけ耳を傾けます。
いまの考えで当時を評価する「どうして逃げなかったの」「それはおかしい」など、いまの見方で当時の判断を裁く言葉は、話を止めてしまいます。その時代の事情として、そのまま聞きます。
決まった答えを先に言う「大変だったでしょう」「平和が一番ですね」と聞き手が先に言うと、本人の言葉が出にくくなります。楽しかった思い出や、よく覚えていないという答えも、そのまま受け止めます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手戦争が終わってすぐのころ、毎日の食べものはどんなふうでしたか。

語り手配給だけじゃ足りなくてね。母と一緒に汽車に乗って、農家まで買い出しに行ったよ。リュックを背負って。

聞き手リュックを背負って。農家の人とは、どんなやりとりがあったんですか。

語り手母が着物を出してね、お芋と替えてもらった。嫁入りのときに持ってきた着物だったと、あとで聞いたよ。

聞き手そのとき、お母さんは何か言っていましたか。

語り手「着物は着なくても死なないから」って笑ってた。帰りの汽車で、芋の入ったリュックを私に抱かせてくれてね。重たかったけど、うれしかった。

聞き手重たかったけど、うれしかった。その芋は、家でどんなふうに食べたんですか。

語り手ふかして、きょうだい四人で分けた。弟のみっちゃんが一番大きいのを取って、けんかになったよ。

聞き手いま振り返ると、あの日のお母さんのことをどう思いますか。

語り手強い人だったと思うね。私がいまでも食べものを残せないのは、たぶんあの日の芋のせいだよ。

戦時中と戦後の話は、本のなかで、その後の仕事や家庭の話を支える土台になります。配給の列や買い出しの汽車、墨を塗った教科書といった具体的な場面があると、読む家族はその時代を身近なこととして受け取れます。全部を聞き出す必要はありません。本人が話せた分だけで、一章は十分に形になります。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。

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