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親に聞く質問|テーマで聞く

昭和の暮らしの道具を聞く質問

テレビ、電話、風呂、買い物、乗り物

テレビが家に来た日、初めてかけた電話、銭湯の帰り道。暮らしの道具の話は、身構えずに話し始められる入り口です。しかも「テレビが来たのは東京オリンピックの前か後か」のように、道具が変わった日はそのまま年代の手がかりになります。このページでは、家にあった道具から入り、銭湯や商店街の場面、道具をめぐる家族や近所の人、そして暮らしが変わったことへの思いへと、順に聞ける質問を並べました。

こんなときに何から聞けばよいか迷い、話しやすい入り口を探しているとき
こんなときに話の年代があいまいで、いつのことか確かめたいとき
こんなときに施設の集まりで、みんなが話せる共通の話題がほしいとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一家にあった道具から

まずは家の中を思い浮かべてもらいます。道具の名前が一つ出れば、そこから話は広がります。

  1. 子どものころ、家の台所にあった道具のことを聞かせてください。

    かまど、七輪、ガス台、ちゃぶ台など。一つから話を広げると思い出しやすいです。

  2. 家に初めてテレビが来たのは、いくつのころでしたか。

    「東京オリンピック(昭和39年)の前か後か」と聞くと年代がつかみやすくなります。

  3. 電話は家のどこに置いてありましたか。

    玄関、茶の間、近所の家の呼び出し電話など。置き場所から間取りの話にもつながります。

  4. 子どものころ、お風呂はどうしていたか教えてください。

    銭湯通い、もらい湯、薪や石炭で沸かす内風呂など。選択肢を出すと答えやすくなります。

  5. 洗濯はどんなふうにしていましたか。

    たらいと洗濯板、手回しで絞る洗濯機など。誰の仕事だったかも続けて聞けます。

  6. 家族が乗っていた乗り物について聞かせてください。

    自転車、リヤカー、オート三輪、バイクなど。誰が何に乗ったかで家の仕事も見えます。

  7. 部屋の明かりや暖房は、どんなものでしたか。

    裸電球、こたつ、火鉢、石油ストーブなど。冬の夜の過ごし方の話につながります。

  8. 家の道具の中で、特に大事にされていたものは何でしたか。

    ラジオ、ミシン、柱時計など。誰がどう扱っていたかを聞くと人柄が出ます。

二暮らしの場面に入る

道具が使われていた場所に戻ってもらいます。景色や音、匂い、季節を聞くと場面が立ち上がります。

  1. テレビの前に家族が集まっていたときの、部屋の様子を聞かせてください。

    座る場所、画面の大きさ、布のカバーなど。誰がどこに座ったかが場面になります。

  2. 銭湯までの道のりは、どんなふうでしたか。

    洗面器を抱えて歩く、冬の帰り道の寒さ、夕焼けなど。距離より景色を聞きます。

  3. 銭湯の中で覚えている音や匂いを教えてください。

    桶の響く音、石けんの匂い、番台の声など。一つ出ると続けて思い出されやすいです。

  4. 毎日の買い物は、どこへ行くことが多かったですか。

    商店街、市場、八百屋や魚屋など。地名や通りの呼び名が取れると本に効きます。

  5. 商店街のにぎわいを思い出すと、どんな光景が浮かびますか。

    呼び込みの声、量り売り、買い物かご、夕方の混雑など。季節を添えると場面が立ちます。

  6. 電話をかけるときや受けるときの、家の決まりごとを聞かせてください。

    長電話はしかられた、ダイヤルを回す音、呼び出しのお礼など。家の空気が伝わります。

  7. 自転車で出かけた先で、よく覚えている場所はどこですか。

    川べり、隣町、学校、仕事場など。地名と、一緒にいた人を聞くと深まります。

  8. 雨や雪の日の暮らしは、晴れの日とどう違いましたか。

    長靴、番傘、ぬかるんだ道、銭湯に行けない日など。天気が道具の話を引き出します。

三道具が来た日と、まわりの人

新しい道具が家に来た日には、家族や近所の人が登場します。名前や呼び名、言われた一言を拾います。

  1. テレビが家に届いた日のことを聞かせてください。

    運んできた人、屋根のアンテナ、最初に見た番組の種類など。その日の様子を一つずつ。

  2. テレビをめぐって、近所の人とどんな行き来がありましたか。

    よその家に見せてもらいに行った、うちに人が集まったなど。呼び名で人を聞きます。

  3. 初めて電話で話した相手は誰でしたか。

    親戚、勤め先、友だちなど。そのとき言われた一言が残っていれば台詞として使えます。

  4. 行きつけのお店の人について、覚えていることを話してください。

    店名ではなく「魚屋のおじさん」などの呼び名で。口ぐせがあれば聞きます。

  5. 家族で初めて車に乗ったときの話を聞かせてください。

    誰が運転したか、最初に出かけた先など。大阪万博(昭和45年)のころかも手がかりです。

  6. 新しい道具が来たとき、家族はそれぞれどんな様子でしたか。

    喜んだ、使い方を覚えようとした、反対したなど。決めつけずに一人ずつ聞きます。

  7. 道具の使い方を、誰から教わりましたか。

    自転車の乗り方、ミシン、ダイヤルの回し方など。教えた人のことばが取れると本に効きます。

四変わったことと、いまの思い

暮らしが移り変わったことを、そのときの気持ちと、いま振り返っての思いの両方で聞きます。

  1. 内風呂ができて銭湯に行かなくなったころ、どんな気持ちでしたか。

    うれしい、さみしい、特に何も、どれでも構いません。そのときと今の両方を聞きます。

  2. 暮らしの道具が大きく変わったと感じたのは、いつごろですか。

    結婚したころ、子どもが生まれたころなど、人生の出来事と重ねると年代がはっきりします。

  3. なくなって惜しいと思う道具や習慣を教えてください。

    御用聞き、量り売り、ちゃぶ台、手紙など。逆に「なくなってよかったもの」でも構いません。

  4. 手に入って暮らしが楽になったと感じたものは何ですか。

    洗濯機、冷蔵庫、炊飯器など。誰の手間が減ったかを聞くと家族の話になります。

  5. 孫に昔の道具の話をするとしたら、何から話しますか。

    黒電話、銭湯、白黒テレビなど。伝えたいことばが出たら、そのまま書き留めます。

  6. いまの暮らしの道具を見て、昔と比べてどんなことを思いますか。

    便利になった、せわしなくなったなど。評価をはさまず、出てきたことばを受け止めます。

  7. もう一度使えるとしたら、使ってみたい昔の道具は何ですか。

    七輪、柱時計、自転車の荷台など。その道具にまつわる場面がもう一つ出てきます。

この話題の聞き方のコツ

道具を年代の目印にする「テレビが来たのは結婚の前か後か」「東京オリンピックのころ電話はあったか」と、道具と人生の出来事を並べて聞きます。正確な年がわからなくても話の順番が整い、本にするときの章立てにもそのまま使えます。
物の話から人の話へ移す道具の説明が続いたら、「それを使っていたのは誰でしたか」と人に話を移します。父の自転車、母のミシン、祖母の火鉢のように、道具は持ち主の姿を連れてきます。持ち主のしぐさや口ぐせが出てきたら、そこを掘ります。
写真や実物を手がかりにする古いアルバムの背景に写るテレビや自転車、家に残っている柱時計や裁縫箱は、言葉より先に記憶を呼び起こします。指さしながら「これはどこにありましたか」と聞くと、話し手が自分から語り始めることがよくあります。

避けたい聞き方

「不便だったでしょう」と決めつけるいまの感覚で昔を評価すると、話し手は合わせて答えてしまいます。不便を楽しんでいた人も、何とも思っていなかった人もいます。「どんなふうでしたか」と聞き、感じ方は話し手に任せます。
年や型を問い詰める「それは何年でしたか」「どんな型でしたか」と正確さを求めると、話し手は間違いを恐れて口が重くなります。年は出来事との前後関係でつかめば十分です。細部があいまいでも、そのまま聞き進めます。
家にあったものを比べる「よそより早かったですか」のように他の家と比べる聞き方は、暮らし向きの話になりやすく、話しにくさを生みます。テレビがなかった家の話も大事な記憶です。「うちにはなかった」と出たら、その先を聞きます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手家に初めてテレビが来た日のことを聞かせてください。

語り手小学校の四年生ぐらいだったかね。電気屋さんが屋根にアンテナを立てて、近所の子まで集まってきてね。

聞き手近所の子まで集まってきたんですね。そのテレビは、どの部屋に置かれたんですか。

語り手茶の間のたんすの横。布のカバーがかかっていて、見るときだけ母がそれをめくるの。

聞き手お母さんがめくっていたんですね。見ているとき、お母さんは何か言っていましたか。

語り手「目が悪くなるから、離れて見なさい」って、毎晩。だから私たち、畳の縁より前に出ちゃいけなかったの。

聞き手畳の縁が境目だったんですね。そこに座って見ていたとき、どんな気持ちでしたか。

語り手外は真っ暗なのに、そこだけ明るくてね。家族がみんな同じほうを向いているのが、なんだか不思議だった。

聞き手いま振り返ると、その光景はどんなふうに思えますか。

語り手母はあのカバー、ずいぶん長く使ってたのよ。カラーになってからも。大事なものだったんだろうね。

道具の話から出てきた「テレビが来た年」「銭湯に行かなくなった年」は、本の中で出来事を並べる目印になります。そこに茶の間の明かりや番台の声、母が言った一言が重なると、読む人もその時代の家に入っていけます。道具そのものより、それを囲んでいた人と場面を書き留めてください。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。

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