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親に聞く質問|場面で聞く

創業・会社の歴史を聞く質問

創業者インタビュー、社史、事業承継のときに

会社の歴史は、決算書や年表だけでは伝わりません。なぜ始めたのか、最初のお客は誰だったのか、苦しい時期に誰が何と言ってくれたのか。こうした話は、創業者本人に聞かなければ残りません。ここでは、始めたころの事情から、開業の日の景色、苦しかった時期、社風と次の世代への言葉までを順に聞く質問をまとめました。社史や承継の資料に使えるよう、年代・場所・人の呼び名・台詞が取れる形に組んでいます。

こんなときに社史や周年記念誌のために、創業者の話を記録したいとき
こんなときに事業を引き継ぐ前に、先代の考えを聞いておきたいとき
こんなときに親が始めた店や会社のことを、家族として知っておきたいとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一始める前と、始めたわけ

前の仕事や創業のきっかけなど、本人が話し慣れている入口から始めます。年代と年齢をここで押さえます。

  1. 会社を始める前は、どんな仕事をしていましたか。

    勤め先、家業の手伝い、修業先など。何歳ごろだったかも添えてもらうと年表が組めます。

  2. 自分で商売を始めようと思ったきっかけを聞かせてください。

    誰かの一言、仕事の中の出来事、家の事情など。思い立った場面が一つあれば十分です。

  3. 始めると決めたとき、まわりの人はどんな反応でしたか。

    家族、勤め先の上司、友人。誰が何と言ったか、台詞が取れると本に生きます。

  4. 会社や屋号の名前は、どうやって決まったのですか。

    地名、家族の名前、願いを込めた言葉など。ほかに候補があったかも聞けます。

  5. 数ある仕事の中で、この仕事を選んだ理由はどこにあったと思いますか。

    得意なこと、時代の流れ、手に職。短ければ「ほかの道は考えたか」と聞き直します。

  6. 商売を教わった人や、手本にした人のことを教えてください。

    親方、先輩、親、取引先の社長など。呼び名と、教わった一言を書き留めます。

  7. 始めたころの世の中は、どんな様子でしたか。

    東京オリンピック(昭和39年)や大阪万博(昭和45年)の前か後かを手がかりにします。

  8. 創業の準備で、いちばん手間がかかったのは何でしたか。

    場所探し、道具や機械の用意、人集め、手続きなど。金額より手順を聞きます。

二開業の日と最初のお客

最初の店や作業場、開業の日、初めてのお客。景色や音、誰がそこにいたかまで場面に入って聞きます。

  1. 最初の店や事務所、作業場は、どんな場所でしたか。

    広さ、間借りか家の一角か、何階か。窓から見えた景色も聞いておきます。

  2. 開業の日のことで、覚えている場面を聞かせてください。

    天気、季節、朝何時に着いたか、誰がそばにいたか。一つの場面に絞ると語りやすくなります。

  3. 始めたころの一日は、朝から晩までどう過ぎていきましたか。

    起きる時間、昼ごはん、店を閉める時間。休みの日があったかどうかも。

  4. 最初のお客さんは、どんな人でしたか。

    近所の人、前の職場のつて、飛び込み。呼び名や見た目、交わした言葉を。

  5. 初めて代金を受け取ったときのことを教えてください。

    手渡しか、どこで受け取ったか、その晩どうしたか。金額は聞かなくてかまいません。

  6. 作業場や店で、いまも耳や鼻に残っている音や匂いはありますか。

    機械の音、油や木の匂い、電話のベル、そろばんの音など。

  7. 最初に使った道具や機械で、思い出深いものはどれですか。

    中古で手に入れたもの、手作りしたもの、長く使ったもの。写真があれば一緒に見ます。

  8. 最初に働いてくれた人は、誰でしたか。

    家族、知人の子、求人で来た人。どう出会い、最初にどんな仕事を任せたか。

三苦しかった時期と支えた人

うまくいかなかった時期と、そのとき力になった人や出来事を聞きます。答えにくい話は無理に深追いしません。

  1. いちばん苦しかった時期は、いつごろでしたか。

    創業から何年目か、何歳ごろか。景気、取引先、災害、体調など、理由は語り手に任せます。

  2. その時期、毎日はどんなふうに過ぎていましたか。

    家で何を話したか、どこで考えごとをしたか。場面を一つ選んでもらいます。

  3. 苦しいときに力になってくれた人のことを聞かせてください。

    家族、取引先、銀行の担当者、従業員。呼び名と、かけられた一言を書き留めます。

  4. 状況が変わり始めたのは、何がきっかけでしたか。

    新しいお客、商品の工夫、人との出会い、時代の変化など。「潮目はいつか」と聞き直せます。

  5. やめようと考えたことはありましたか。

    答えにくそうなら深追いせず、「続けられた理由」に話を移します。

  6. 大きな転機になった仕事や注文について教えてください。

    初めての大口、移転、新しい土地への進出、新しい商品など。年代を添えて。

  7. いまなら別のやり方をする、と思う出来事はありますか。

    失敗談は本に厚みを出します。評価せず、そのまま受け止めて聞きます。

四社風と次の世代へ

大事にしてきた習慣や口ぐせ、いま振り返っての思い、継ぐ人への言葉を聞きます。社史の締めになる部分です。

  1. 会社の中で、ずっと続けてきた決まりや習慣はありますか。

    朝のあいさつ、掃除、お客の見送り方など。始まったいきさつも聞いておきます。

  2. 従業員や家族によく言ってきた言葉を聞かせてください。

    口ぐせ、叱るときの言葉、ほめるときの言葉。言い回しのまま書き留めます。

  3. 仕事の中で、手応えを感じたのはどんな場面でしたか。

    お客の一言、仕事が仕上がった日、若い人が育ったときなど。

  4. 家族は、この仕事とどう関わってきましたか。

    帳面つけ、電話番、子どもの手伝い。家族への思いもここで出てきやすくなります。

  5. 会社を継ぐ人やこれから働く人に、知っておいてほしいことは何ですか。

    守ってほしいことと、変えてかまわないことに分けると答えやすくなります。

  6. いま振り返って、会社を始めたことをどう思っていますか。

    「もう一度始めるとしたら」と聞き直すと、本音が出やすくなります。

  7. この先、会社がどうなっていってほしいか聞かせてください。

    何年後の姿か、どんなお客に頼られていてほしいか。具体の場面で聞きます。

この話題の聞き方のコツ

年表を横に置いて聞く創業、移転、代替わりなどの節目を先に紙に書き出しておくと、話が前後しても位置づけられます。語り手の年齢と世の中の出来事を並べておくと、本人の記憶もよみがえりやすくなります。
「最初の」を手がかりにする最初のお客、最初の従業員、最初の道具。「最初」は記憶に残りやすく、場面ごと語られることが多い問いです。そこから音や匂い、言われた一言へ進むと、本の一章になる話が取れます。
写真や現物を机に出す古い名刺、看板、帳面、開業時の写真があれば一緒に見ます。物を前にすると、人の呼び名や建物の様子、当時の段取りなど、口頭だけでは出てこない細部が語られます。

避けたい聞き方

成功談の筋を先に決める「苦労したけれど報われた」という筋を決めて聞くと、語り手はそれに合わせて話してしまいます。うまくいかなかったことも、まとまらない話も、そのまま聞きます。
金額や数字を問い詰める売上や借入の額を細かく聞くと、聞き取りが帳簿の確認になり、口が重くなります。必要な数字は資料で確かめ、聞き取りでは場面と気持ちを優先します。
後継者の立場で評価する「なぜあのときこうしなかったのか」と問うと、責める場になります。判断の理由を知りたいときは、「そのときは何を考えていましたか」と聞きます。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手最初のお客さんのことを聞かせてください。

語り手近所のパン屋のおやじさんだね。窯の扉が閉まらないって、店を開けて三日目に来たんだ。

聞き手開けて三日目。それまでの二日間は、どんなふうに過ごしていたんですか。

語り手誰も来ない。作業台を拭いて、工具を並べ直して、それでもまだ昼前でね。女房が握り飯を持ってきて、二人で黙って食べてた。

聞き手そこへおやじさんが来たとき、何と言われたか覚えていますか。

語り手「若いの、これ直せるか」って。直せますと言ったけど、手が震えてたよ。

聞き手直し終わったときは、どんな気持ちでしたか。

語り手扉がぱたんと閉まった音は、いまでも覚えてる。ああ、やっていけるかもしれないって、あのとき初めて思った。

聞き手いま振り返ると、あの日のことは会社にとってどんな意味がありましたか。

語り手うちは頼まれたら、まず「見せてください」と言う。断る前に見る。あのおやじさんが最初に来てくれたからだろうね。

創業のきっかけや最初のお客の話は、社史の冒頭に置くと、会社がどこから始まったのかを読み手に手渡します。苦しかった時期の場面と、そのとき支えた人の一言は、数字だけの沿革にはない厚みを生みます。最後に聞いた社風と次の世代への言葉は、後を継ぐ人が迷ったときに読み返す一章になります。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。話しはじめる画面の「今日のテーマ」で「仕事」を選ぶと、この話題から聞きます。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

無料で3話ためす くわしい使い方