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親に聞く質問|テーマで聞く

趣味・夢中になったものを聞く質問

歌、映画、野球、手仕事、集めたもの

好きだったものの話になると、声の調子や表情が変わる人は多くいます。若いころに口ずさんだ歌、通った映画館、ラジオで聞いた野球中継、夜なべの編み物、菓子箱にしまってある切手。夢中になったものを入り口にすると、その時代の暮らしや一緒にいた人、当時の気持ちまで自然に話が広がります。ここでは、入りやすい話から始めて、場面、人と出来事、いまの思いへと順に聞ける質問を並べました。

こんなときに昔の話を聞きたいが、何から聞けばよいか迷うとき
こんなときに家の歴史より、本人の好きなものから入りたいとき
こんなときに面会や施設の団らんで、会話のきっかけがほしいとき
質問 30問・4つの小見出し聞き役への添え書きつき

一好きだったものを思い出す

まずは答えやすいところから。若いころ好きだったもの、時間を忘れたものを広く聞き、話の入り口を見つけます。

  1. 若いころ、時間を忘れて夢中になったもののことを聞かせてください。

    歌、映画、野球、相撲、手芸、写真、釣り、切手集めなどを例に挙げると答えやすくなります。

  2. 子どものころ、よく口ずさんでいた歌はどんな歌でしたか。

    題名が出なければ一節を歌ってもらいます。童謡、流行歌、学校で習った歌などが手がかりです。

  3. 初めて映画館で観た映画について、覚えている場面を話してください。

    題名を忘れていても、時代劇、洋画、漫画映画、ニュース映画などの種類から思い出せます。

  4. 応援していた野球のチームや好きな選手は、どこの誰でしたか。

    名前が出たら書き留めます。相撲やプロレス、高校野球が好きだった人もいます。

  5. 手を動かしてつくるもので、得意だったのはどんなものでしょう。

    編み物、洋裁、刺しゅう、木工、模型、盆栽など。家族のためにつくった物も含みます。

  6. 集めていたものがあれば、それが何だったか教えてください。

    切手、マッチ箱、レコード、絵はがき、メンコ、ビー玉、映画のパンフレットなどが手がかりです。

  7. 学校の部活動や、大人になってからの習いごとでは、何をしていましたか。

    書道、そろばん、茶道、生け花、合唱、ダンス、卓球などを挙げると思い出しやすくなります。

  8. 好きなものに出会ったきっかけは、何だったのでしょう。

    誰かに誘われた、ラジオで聞いた、近所で見かけたなど。始めた年ごろも聞いておきます。

二夢中になった場面に入る

好きなものに打ち込んでいた場所や時間に戻ってもらいます。景色や音、匂いが出ると、文章に手ざわりが生まれます。

  1. 映画館やレコード店など、よく通った場所はどんなところでしたか。

    入り口の様子、座席、ポスター、たばこの煙など。町の名前も聞けると年代がわかります。

  2. 好きな歌を、家のどこで、何を使って聴いていましたか。

    ラジオ、蓄音機、ステレオ、白黒テレビなど、聴いていた道具の話から場面が広がります。

  3. 野球や相撲の中継を見聞きしていた部屋の様子を聞かせてください。

    近所の家や電器店の前でテレビを見た人もいます。誰が隣にいたかも聞きます。

  4. 手仕事をしていたのは、一日のうちのいつごろでしたか。

    夜なべ、子どもが寝たあと、休みの日の縁側など。季節や明かりの様子も場面になります。

  5. 夢中になっていたころを思い出すと、どんな音や匂いがよみがえりますか。

    レコードの針の音、球場の歓声、毛糸や木くずの匂い、映画館の売店の匂いなど。

  6. 集めたものは、どこにどうやってしまっていましたか。

    缶、アルバム、菓子箱、押し入れなど。いまも手元にあれば、見ながら話すと広がります。

  7. 東京オリンピックのころ、テレビで見て覚えている場面を聞かせてください。

    昭和39年の開催です。見ていない人には、昭和45年の大阪万博のことを聞いてもかまいません。

三一緒にいた人と出来事

好きなものには、一緒に楽しんだ人や忘れられない出来事がついてきます。名前や呼び名、言われた一言を聞き取ります。

  1. 一緒に映画や野球を見に行った相手は、誰でしたか。

    友だち、きょうだい、恋人、職場の仲間など。呼び名で答えてもらうと本に書きやすくなります。

  2. 好きなものを教えてくれた人や、手ほどきをしてくれた人のことを聞かせてください。

    母や祖母、近所のおばさん、先輩、先生など。教わったときの様子も聞いておきます。

  3. その人に言われた言葉で、いまも耳に残っているのはどんな一言ですか。

    ほめ言葉でも小言でもかまいません。言い方や口ぐせのまま書き留めると台詞になります。

  4. 初めて自分で買ったレコードや道具のことを聞かせてください。

    何歳ごろか、どんな店で買ったか、どれほど待ち遠しかったかが場面になります。

  5. 夢中になっていることについて、家族はどんな反応をしていましたか。

    応援された、あきれられた、反対されたなど。どれかに決めつけず、そのまま聞きます。

  6. 好きなものを通じて知り合った人は、どんな人でしたか。

    同好会、文通、球場の常連、手芸の仲間など。その後の付き合いも聞けると話が続きます。

  7. 好きなものにまつわる出来事で、いちばん記憶に残っている日のことを話してください。

    試合、演奏会、作品が仕上がった日、品評会など。年ごろと場所も添えてもらいます。

  8. 続けられなくなった時期があったとしたら、それはどんなときでしたか。

    仕事、子育て、引っ越しなど。言いにくそうなら深追いせず、次の質問へ進みます。

四いま振り返って思うこと

当時の気持ちと、いま振り返っての思いを聞きます。好きなものが人生の中でどんな意味を持っていたかが見えてきます。

  1. 夢中になっていたとき、どんな気持ちで過ごしていましたか。

    無心になれた、嫌なことを忘れられた、張り合いがあったなど。そのときの気持ちを聞きます。

  2. いまも続けていることや、ときどき手に取るものについて聞かせてください。

    歌番組を見る、編み物をする、野球の結果を確かめるなど、小さな習慣でもかまいません。

  3. 若いころの歌をいま聴くと、どんなことが思い浮かびますか。

    その歌が流れていた年ごろや、一緒にいた人の顔が出てきます。実際に流して聞くのも手です。

  4. 集めたものやつくったもので、手放せないのはどれですか。

    理由を聞くと、ものにまつわる人や出来事が出てきます。写真に撮っておくと本に使えます。

  5. 好きなものがあったことで、暮らしや人付き合いはどう変わりましたか。

    友だちが増えた、支えになった、特に変わらないなど。どの答えもそのまま受け止めます。

  6. もう一度やってみたいことがあるとしたら、それは何ですか。

    球場に行く、昔の映画を観る、編み物を教えるなど。家族で実現できる話につながることもあります。

  7. 好きなもののことを孫や若い人に伝えるとしたら、どんなふうに話しますか。

    おすすめの一曲、道具の使い方、楽しみ方のこつなど。本の締めくくりに使える言葉になります。

この話題の聞き方のコツ

実物や音を目の前に置く古いレコードを流す、編んだセーターや切手帳、野球の記念品を一緒に眺めるなど、実物があると記憶が次々に出てきます。手元に何もなければ、当時の歌を口ずさむだけでも話の入り口になります。
知らない趣味ほど教わる側に回る聞き手がその趣味に詳しくないほうが、語り手は説明しようとして具体的に話してくれます。道具の名前や手順、ルールをわからないまま流さず、それはどういうものですかと聞き返すと、場面が細かくなります。
好きなものから人と時代へ広げる趣味の話は、誰と、どこで、いくつのころかを添えると自分史の一場面になります。映画の題名を聞いたら、誰と行ったか、帰りに何を食べたかへと移ると、その時代の暮らしが見えてきます。

避けたい聞き方

腕前や好みを評価する上手ですね、その趣味は渋いですねなど、腕前や好みを評価する言葉は話を縮めてしまいます。うまくできなかった話や失敗談にこそ、その人らしさが出ます。
楽しかった前提で聞く好きなものでも、やめざるを得なかった、家族に反対されたなど、苦い記憶と結びついていることがあります。楽しかったでしょうと決めつけず、どんな気持ちでしたかと開いて聞きます。
題名や年の正確さにこだわる歌の題名や選手の名前、何年の出来事かが思い出せなくても、そこで止めずに先へ進みます。確かめるのは後で家族が調べれば足ります。大事なのは、そのとき何を感じたかです。

掘り方の実例

相手の言葉を一つ拾って、場面と台詞を取りにいく流れです。語り手は架空の人物です。

聞き手若いころ、時間を忘れて夢中になったもののことを聞かせてください。

語り手そうねえ、映画かしら。勤めていたころは、お給料が出ると駅前の映画館に行ったものよ。

聞き手駅前の映画館。中はどんな様子でしたか。

語り手いつも満員でね、後ろに立ち見の人がずらっと並んでいたの。休憩になると売店のおせんべいの匂いがして。同じ寮のみっちゃんと二人で行くと、あの子はいつも泣くのよ。

聞き手みっちゃんが泣いているとき、何か言っていましたか。

語り手「あんたは薄情ね、こんなに悲しいのに」って。私は泣くのが恥ずかしくて我慢していただけなのにね。いま思えば、あのころがいちばん気楽だったかもしれないわね。

夢中になったものの話には、その人がどんな時代に、誰と、何を楽しみに生きてきたかが詰まっています。聞き取った歌の一節や映画館の匂い、友だちの一言は、自分史の中で各章の空気をつくる場面になります。仕事や家族の章のあいだに置くと、語り手の素顔が伝わる一冊になります。

語りAI物語で聞く

この質問を、AIが聞き手になって
一つずつ聞きます。

答えはスマホのマイクで話すだけ。相手の言葉を拾って掘り、話した分が年表に貯まり、一冊の本になります。

登録なしで3話まで無料。親御さんの隣で、聞き役のあなたが操作しても使えます。

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